陥人 ―どぽんど―@東京グローブ座

山田まりや、森崎博之津田健次郎、林剛史、宝積有香、小林健一、藤田記子、小手伸也、今奈良孝行、町田カナ、松村武、佐戸井けん太

シェイクスピアの「ヴェニスの商人」のクライマックスシーンから始まるお芝居。沈んだと思われていたシャイロックが海の底のあまじょ(海女+魔女?)と手を組み、自分を嵌めたベニスの町に復習を企てる。シャイロックを嵌めた人々は一旦は酔狂を味わうもその陰謀により狂い始めた歯車にだんだんと泥沼に引きずり込まれされていく、みたいなお話。

おはずかしいことに、シェイクスピアの本は何も読んだことがなく、シェイクスピアに対する知識もほとんどないので、このシェイクスピアを題材とした舞台を見るにあたり何か前勉強をした方がよかったかもと見始めたとき不安になったのですが、その不安はすぐになくなりました。ベニスの商人がベースになっているとはいえ、オールスターというようにオセローなど他作品からも登場人物が出てくるので、知識があれば意外なキャラクターとのからみがもっと楽しめたのでしょうが。

役者さん一人一人の尋常じゃないおかしな動きとか、アドリブがとにかく笑えたw。”シェイクスピアだから”というどこか形式ばった堅苦しいイメージを持っていたのですが、それはほとんど正反対。時代設定すらも半ば無視したアドリブがシーンごと盛り込まれ、何分かに1回は笑える、みたいな状態。しかもある年代以上の人しかわからないようなネタ多数。鶴ちゃんのプッツン5やら、ガンダムゲルググが戦ってララアのエルメスが身代わりになる(?)ところの寸劇を山田まりやさんが無理やりやらされたり、アントニオ猪木の元気があれば〜とか、わけ分からんw。一人二役の人が最後に二役やっているところをばらし、わざと破綻をきたさせているところもあったしw。シリアスな舞台を想像していたので、ギャグ満載の舞台であるという意外性がさらにツボとなりました。
しかし本筋としては、人間の欲に弱く醜悪な部分を描き出し、最終的には壮大な精神世界を描いたような雰囲気もあり、そのクライマックスの荘厳さと舞台前半の笑いとのギャップに、圧倒されました。

さて、津田健次郎さんですがw、津田さんはイアーゴーという青年の役。イアーゴーはアントーニオという男性の子分みたいな存在で、ちょっと男色の気があるらしく(?)アントーニオのアニキに何度も「抱いてくれよぅ〜」と自らズボンを脱いで腰を突き出しせがむような人で、見ててかなりハラハラしてしまいました^^;。その人とちょっとキスシーンらしきものがあったり^^;。話の全体的なところから見れば、シャイロックが仕掛けたこれら壮大な茶番劇が全て丸く収まるかと思われたところに、すごい一撃をいれ話を急転換させる、かなり重要な役どころでした。中世な衣装もすてきでしたv。